更年期障害について Q&A

Q&A

監修:東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科
茨城県地域産科婦人科学講座 教授
 寺内 公一 先生

Q. 乳がんや子宮がんの心配は?

HRTの副作用として乳がんや子宮体がんのリスクを心配される方がいますが、黄体ホルモンを併用することで、子宮体がんのリスクはHRTをしていない方と変わりません。また、乳がんのリスクに及ぼすHRTの影響は小さいと考えられています。

HRTと乳がんのリスク

  • 5年未満の治療期間であれば、乳がんリスクの上昇は認めらていません。
  • 5年以上の治療期間であっても、リスクの上昇は飲酒や肥満などによるリスクの上昇と同じかそれ以下です。
  • 乳がんのリスクは、併用される黄体ホルモンの種類とHRTの治療期間に関連していますが、HRTを中止すればHRTを行っていない方と同程度になります。

(日本産科婦人科学会・日本女性医学学会.ホルモン補充療法ガイドライン2017年度版より抜粋)

定期的に検診を受けましょう。

HRTによる治療の効果を確認するために、定期的に検診を受けましょう。生活習慣病や骨粗しょう症、子宮体がんや乳がんなど、更年期におけるさまざまな病気も、定期的に検診を受けることで早期に発見することができます。定期検診を習慣づけて、これからの健康管理に役立てましょう。

Q. HRTはいつまで続けることができますか?

更年期が過ぎ、症状が改善すればHRTを終了することができます。しかし、終了後にまた症状が戻る場合もあります。HRTは更年期障害の治療を主な目的として行いますが、骨粗しょう症や動脈硬化、皮膚萎縮などに対する予防効果がありますので、そのまま治療を続けることもできます。あなたのからだの状態を確認し、医師とよく相談しながら続けるか止めるかを決めていきましょう。

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