経口避妊薬（OC/ピル）について

経口避妊薬ってどんな薬？

監修：あおもり女性ヘルスケア研究所 所長
　蓮尾 豊 先生

OC*（ピル）について

• エストロゲン（卵胞ホルモン）とプロゲステロン（黄体ホルモン）の2種類の女性ホルモンを配合した飲み薬です。
• 国内で使われるOCは、成分含有量が少ない低用量タイプが一般的です。
• OCは排卵を抑えるなどの作用により、高い避妊効果が期待できます。

* OC：Oral Contraceptives

OCの作用のしくみ

1. 排卵を抑える OCを飲んで血液中の2つの女性ホルモンの濃度が高まると、妊娠に近い状態になります。脳は『妊娠した』と錯覚し、視床下部や下垂体からのホルモン分泌を停止させ、排卵が抑えられます。

2. 精子の進入を防ぐ ホルモンのはたらきにより、子宮の入り口にふたをするような状態になり、精子の子宮内への進入を防ぎます。

3. 受精卵を着床しにくくする 万が一排卵が起きてもホルモンのはたらきにより、受精卵が子宮内膜に着床（ちゃくしょう）することが難しくなります。

OCの飲み方とタイプ

初めてOCを飲むとき

OCによって、下記のように飲み始める日が違いますので、確認しましょう。

• 生理の第1日目から飲み始める
• 生理が始まった最初の日曜日から飲み始める

生理が始まった最初の日曜日から飲み始めるタイプは、生理の初日と日曜日がずれている場合、飲み始めの1週間はコンドームなどの他の避妊法を併用する必要があります。
OCには、いくつかタイプがあります。どのタイプのOCを使用するかは、医師と相談のうえ、選びましょう。

OCのタイプ（休薬がある・ない）

21錠タイプ

21日間飲んだら、7日間休薬します。飲み終わって8日後から新しいシートのお薬を飲みます。

28錠タイプ

28日間飲みます。最後の7錠は、有効成分が含まれない偽薬（プラセボ）です。1シート飲み終えたら、休まずに新しいシートのお薬を飲み始めます。

　21錠タイプでは休薬すると、28錠タイプではプラセボを飲み始めると、
　生理のような出血（消退出血）が現れます。　

OCのタイプ（女性ホルモンの量別）

1相性

1錠に含まれる女性ホルモンの量はすべて一定です。

3相性

1錠に含まれる女性ホルモンの量が数日ごとに少しずつ変わります。

　避妊効果はどちらも同程度ですが、
副作用には少し違いがみられる場合があります。　
　どちらを使用するかは、医師と相談してください。　

OCの副作用について

• 軽い吐き気
• 乳房の張り
• 頭痛
• 生理以外の出血

OCを飲み始めて1〜2か月ごろに、このような症状が現れることがあります。通常は、飲み続けることによってみられなくなります。症状はひどい場合や長く続くときは、医師に相談してください。

ごくまれですが、下記のような症状があらわれた場合は、OCを飲むのをやめてすぐに医療機関を受診してください。

頻度は非常に少ないですが、重大な副作用として血栓症（血管内に血のかたまりが詰まる病気）が起こる可能性があります。

OC服用中の喫煙は静脈血栓症・肺塞栓症・心筋梗塞などの副作用の危険性を高めると報告されています。