経口避妊薬(OC/ピル)について 経口避妊薬(OC/ピル)について

Q&A

監修:あおもり女性ヘルスケア研究所 所長
 蓮尾 豊 先生

Q. 飲み忘れたときは、どうすればいい?

飲み忘れが1日の場合:気づいたときに、飲み忘れた1錠をすぐ飲み、その日の錠剤もいつも通りに飲んでください。つまり、その日は2錠服用します。
2日以上続けて飲み忘れた場合:服用を中止し、次の生理を待って新しいシートで再び飲み始めてください。なお、飲み忘れにより、妊娠する可能性が高くなるので、その周期は他の避妊法を使用してください。飲み忘れの時期によっては緊急避妊薬の服用が望ましいこともありますので、主治医に相談することをお勧めします。

Q. 飲み忘れないようにするためには?

毎日一定の時間帯に飲むことが望ましいので、就寝前・起床時・昼食後など、あなたがいちばん飲みやすい時間帯を決めましょう。忘れないための工夫として、スマートフォンのアラーム機能やプッシュ通知を受け取れるアプリ*などを活用してもよいでしょう。

* 女性のための健康支援アプリ「LiLuLa(リルラ)」には、ピル服用時間を知らせてくれるプッシュ機能通知があります。下の各アプリストアからダウンロードが可能です。

LiLuLa
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Q. 長期間飲んでもよい?

一般的には、長期間OCを飲み続けても、大部分の女性にとって安全であることが報告されています。服用中は6か月を目安に、必ず定期的に医師の診察を受けてください。

Q. OCを飲むとがんになりやすくなる?

子宮がんについて、WHOは1992年に、OCの服用は子宮体がんになる可能性を減少させるが、子宮頸がんとの関連性については明らかではないと報告しています。最近の報告では、子宮頸がんのリスクがOCの服用期間によっては、わずかに増加するといわれていますが、子宮頸がんの大部分はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされることがわかっていますので、HPVワクチンの接種で感染確率を減少させ、検診を受けることで早期発見につとめましょう。

子宮頸がんよりも死亡率の多い卵巣がんは、OC服用により明らかに減少することが知られています。
乳がんについては、欧米の研究で、OC服用女性が乳がんになる可能性は、OCを服用したことがない女性に比べてやや高くなるという報告や、乳がん発生率には差がないとする報告もあります。

Q. 妊娠したくなったら?

OCの服用を中止すれば、妊娠は可能です。OCで長期間、避妊を続けた場合は、自然の排卵・生理が回復するまでに少し時間がかかることがありますが、その場合でも、通常は3か月以内に回復します。

Q. 緊急避妊薬とOCの違いは?

緊急避妊薬(アフターピル、モーニングアフターピル)は、避妊に失敗したり、避妊なしの性交渉後、72時間以内に服用することで、妊娠する確率を減らすお薬です。OCに比べると避妊効果、費用とも継続して使用することには向いておらず、100%の避妊効果はありません。あくまで、緊急的な最後の手段ととらえ、緊急避妊薬を服用した後はOCでの避妊を選択しましょう。

Q. OCは、つらい生理痛(月経困難症)の治療にも使われますか?

日本では、低用量のOCが承認される前に、中用量のOCが避妊薬としてではなく、月経困難症や卵巣機能不全などの治療薬として使用されていました。2008年からは、低用量OCと全く同じ成分の「LEP」*という薬剤が月経困難症の治療薬として使用されています。なお、LEPには低用量よりもさらにホルモン量の少ない超低用量や月経回数を減らすことができる薬剤もあります。OCやLEP製剤の服用を希望される方は、必ず医師にご相談ください。

  1. LEP:Low dose Estrogen Progestin

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